漫画「ピアノの森」8巻のあらすじや感想(ネタバレ注意)をまとめました!
この巻から、5年後のお話。
音楽留学していた雨宮修平が一時帰国し、カイと再会します。
「ピアノの森」8巻のあらすじ
5年後、雨宮修平が留学先から一時帰国するところからお話が始まります。
小学生の頃、楽譜通りに完璧に演奏する修平は大会で優勝するほどでしたが、今度はその完璧さが壁となってスランプに陥っていたのです。
個性がなくて華がない修平の演奏…
心があるってどういうこと?
そんな悩みで行き詰まっていた時、修平は阿字野の過去の演奏と、カイがピエロに扮して演奏しているピアノを聴くことに…
カイの演奏を聞いてから自由に指が動かなくなってしまった修平は、カイに会うために日本に戻ってきます。
しかし、カイはなかなか見つかりません。
まるで皆で彼を隠しているかのように見つからないのです。
そして、偶然ベンちゃんに会ったことで、やっとカイの元に連れて行ってもらえます。
しかしそこで会ったのは、カイと同じ演奏をするマリアという女性でした。
「ピアノの森」8巻の感想(ネタバレ注意)
この巻は、音楽留学したものの、ずっと自分のピアノが好きになれずにスランプになった雨宮修平が、カイと再会して一歩踏み出すお話と、5年後のカイがどんな生活をしているのかを描いているお話です。
5年前は、育った環境などの大きな差はあったものの、やはり小学生だからカイと修平そのものに差はさほどなかったと思うんですよね。
ところが5年たって高校生になったふたりには、大きな違いがあります。
狭い型にはまって頭が固い修平と、すべてに関してのびのびと自由なカイ。
修平の父・雨宮洋一郎が「かえって狭い所に追い込んでしまったんだ」と留学をさせたことに関して話していますが、まさにその通りなのか、修平はこの5年間は無駄だったのかと悩むぐらい行き詰まっています。
言い方を変えれば、小学生の時となんら変わってないということ。
そして、阿字野やカイの演奏を見て、指がこわばってちゃんとピアノが弾けなくなってしまうのです。
それに対してカイは自由奔放!
でも、それは言い換えれば、そうでもしないとピアノを続けられなかったということで、すごい努力をしています。
頭の固い修平にとっては、ストリップ劇場でクラシックを弾くとか、あり得ないことも多々あって混乱するほどですが。
気楽で自由でラッキー…
修平は再会したカイのことをそんな風に言います。
そして、これでもかってほど努力をしたり、ピアノを続けるために大変な思いをしてきたはずなのに、言われたことをケラケラ軽く納得してしまうカイは大物だと思いました。
修平は、カイが才能があるからサラッとできていると思っているんですよ。
自分はこんなにコツコツ努力しているのに立場がない…って。
カイがピエロの格好やマリアに扮してバイトをしていること、学校がすごい進学校でバイトは禁止されていること、まだ高校生なのに一人暮らしをしていることを知るわけですが、それがどういう意味なのかは全くわかっていない!!少し想像すればわかりそうなものなのに…
自分は、ピアノの練習を中心に生活することが当たり前という考え方の土台があるから、働いたり勉強をしないとピアノが続けられない厳しい環境がよくわかってないわけです。
そうでないと、気楽とかラッキーなんて言えるはずないですからね。
そもそも、森の端出身のカイが進学校に行けるはずもないし、彼の性格上誰かの世話になるなんて考えられないのにね~。
よく考えればわかりそうな疑問にも気づけず、お気楽ラッキーと言える修平は、それだけ自分の悩みに押しつぶされていたということでしょう。もともとは気の優しいいい子ですからね。
でも、この巻でも少しずつ色々と気づき始めることはあるんですよ。
まずは、カイは小学生の頃のように自分の後を追いかけてくる存在ではなくて、自分よりずっと先を走っている存在だったということに気づきます。
そして、最後にはカイがどれほどの努力をしているかということにも。
そうやって、自分のピアノ・自分の個性がわからない修平は、ずっと壁にぶつかりつつもカイに影響されながら成長していきます。
カイは、ピアノの技術的な問題よりも、環境とか彼と関わる人達とのお話が続きます。
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「ピアノの森」8巻の感想まとめ
今回の第8巻は、その後のカイがどうなっているのかが面白いポイントでした。
コスプレや女装しながらバイトかけもちして、その理由がバイト禁止の有名進学校に通っていたからというのには驚きでした。
そして、修平が小学生の頃とは立場が逆?と思えるほどのスランプに陥っていたのも見ものです。結局彼はおぼっちゃんの甘さはありますが、自力でなんとかしていく力も持っているので、彼が成長することによって、カイの成長も浮き彫りになって楽しい!
そうそう…カイが女装するマリアが登場しますから、あのコンクールの審査員だった佐賀先生も登場します。彼女(カイ)のピアノに熱烈に夢中になってしまうので。
ここから、ショパンコンクールまで、佐賀先生はいいキャラで笑わせてくれますよ。
漫画に出てきた曲の演奏を聞きたい方はこちら!
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以上、漫画「ピアノの森」8巻のあらすじや感想ネタバレでした。最後までご覧いただきありがとうございました。